情報収集と不思議な出会い

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その後もレザベンド討伐に関する情報を 色々な場所で探ってみたが、 雲をつかむような具合で手応えは無く 有力な情報は得られない。 冒険者ギルドを出てから 噴水がある広場で一休みすることにした。 ここにいる誰もが自分の命が一番 大事なのは言うまでもない。 もしかしたら命を落とすかもしれない。 フレアス自身、それは承知の上だ。 ドロテーも仲間の仇討ちが目的で 仲間になってくれたがこの人数だけだと レザベンドが率いる軍勢と戦うには あまりにも心もとない。 ドゴォォオオン……! うわあぁぁ!! キャー…! 遠くから爆発音と誰かの悲鳴が聞こえた。 どこからかはわからないが   只事ではなさそうなのは間違いない。 「た、大変だ…! この都にも レザベンド軍が攻め込んで来たぞ! 皆! 武器を取れ! 戦うんだ!」 巡回していた一人の兵士が叫ぶと、 住民が逃げ惑う中で武器を手に取り 戦闘態勢に入る都の兵士達。 それとは対照的に姿をくらます 冒険者の戦士や魔法使い達。 フレアス達は兵士達に加勢するために 騒動の中心へと向かう。 駆けつけた先は門番がいた門の 都を囲む塀の付近、そこは魔法か何かで 大きく崩されてしまっていた。 既に都の住民がレザベンド軍に攻撃を受けており そこはもう戦場と化している。 フレアスは逃げようとしていた戦士に 一言だけ問いかけた。 「どうして一緒に戦ってくれないんですか!?」 「見てわからないのか? この戦力差じゃ 死にに行くようなもんだ! 早く逃げないと戦いに巻き込まれるぞ! それに、あの奥にいるのが まさに噂に聞くレザベンドってやつだ!」 戦士が指差した方向には 重装甲な鎧に鉄仮面、禍々しい剣に ここからでもわかる脅威的な魔力が感じられた。 東の国へ進行しているという噂を 耳にしたことがあったが噂は本当だった。
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