情報収集と不思議な出会い

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風の魔法が終わった頃には辺りは これでもかと破壊し尽くされてしまい 元々の都の形は崩れ去っていた。 レザベンドがフレアス達にとどめを刺しに 行こうとするとそこに立つ者が一人。 「貴様は…、 なぜ貴様がここにいる…?」 「なぜかって? それは俺が ただのしがない冒険者だからさ。 自由にさすらい、この都の宿屋で 休んでたら都をこんなにしやがって。」 冒険者ギルドの中でも一、二を争う強者、 バティ・オークス、 双剣使いの彼は東の国以外でも有名人だ。 「貴様だったら、少しは私を 楽しませることが出来そうだな。」 「へえ…、そうかい!」 会話が途切れて数秒後に交差する剣と剣。 動けないフレアスは戦いを 見ていることしか出来なかった。 レザベンドの攻撃をギリギリで かわし、逸らし、受け流す。 まともにくらえば致命傷はまぬがれない。 鍔迫り合いをしたら体格差もあり パワーで押し負けてしまうだろう。 そこでバティは手数で押す。 素早く立ち回り、死角から斬撃を繰り出す。 それでもレザベンドにはあまり ダメージが入らない。 反撃の斬撃波がバティの鎧を切り裂く、 両断とまではいかないが傷を負う。 噂通りの化け物のような強さ。 ガガン! キン! ガキン! バティの渾身の一撃で 少しだけレザベンドはダメージを受けたが ここまで実力が違うと 勝ち目が無いように見えた。 急いでバティは回復魔法で回復すると 瞬時に傷口は癒されて塞がった。 フレアスがようやく起き上がり、 動けるようになったところで バティがダッシュでこちらに来る。 「おい、そこの騎士! 逃げるから手を貸せ! そこの気絶してる嬢ちゃんも一緒にな!」 「…え、え? わ、わかりました。 手を貸します!」 フレアスがドロテーを抱きかかえると バティは煙玉を放り投げた。
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