銀の剣を探しに

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北西の森の家には聞き込み通り情報屋がいた。 情報屋は情報料をフレアスから受け取ると 銀の剣のありかを話してくれた。 「銀の剣は南の国に聳え立つ塔の最上階にある。 国の英雄は大戦で銀の剣を使い 戦果を挙げた後は数々の戦にも貢献、 勝利するもその直後に力尽き、 その生涯に幕を下ろしたというのが 一部の人間に知らされた情報だ。」 情報屋はそれ以上の情報は知らないのか 何も言わなくなった。 フレアスは父親の最後の真相を聞くと 切なくなるとともに誇らしくもあった。 用件を済ませたからには 次の進路を南の国として森の家を離れた。 南の国に行くのにも船を使わないと いけないため港コッサカナンに戻る道中、 ある人物と出会ってしまった。 レザベンド軍の主力の一人にして傭兵であり 真紅の鎧に背丈ほどある大剣を 軽々と持つ筋肉質な男、ドレイク・リバータス。 「いやー、なんだかすまねぇな。 道に迷っちまって困ってたんだ、 港まで同行させてもらうぜ。」 彼はまだフレアス達が敵とは 気づいていなかった。 もちろん、フレアス達もまだドレイクが レザベンド軍所属なのも気づかない。 「強そうですね、戦いで日々の 仕事をされている方ですか?」 フレアスが何気なく聞いた。 「おう、まあそんなとこだな! この俺が暴れ回れば 敵はだいたい捻り潰せるぜ、ガッハッハ!!」 豪快な性格の熱血漢、 それでいて攻撃力だけなら レザベンドにも引けを取らない怪力を持つ。 「…悪い人じゃなさそうね。 なんていうのかしら、根が優しそう…?」 ドロテーは感じたことを話す。 「よしてくれ、照れる。」 ドレイクはまんざらでもなさそうだった。
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