情報収集と不思議な出会い

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フレアスは地図とコンパスを見ながら 西の国を目指しながら進んでいった。 移動する手段はだいたいが徒歩か馬車で 海を渡る場合には船が必要になる。 それらがないため移動は徒歩でとなる。 まずはレザベンド討伐の際の情報が 不足し過ぎているため、 別の街から情報を収集することにした。 味方になりうる戦力や敵の戦力を知っておき 装備品もより良い物に整えるためだ。 数時間歩くと最初の街からより大きい街 トランデニスタに着いた。 情報が集まりやすいところは 夜の酒場でその時間帯は冒険者が多く、 酒場のマスターからいろいろな話が聞ける。 日が落ちて夜になってから 酒場に入ると案の定たくさんの人が 賑わって酒を飲んでいた。 「らっしゃい、飲み物は何にするんだい?」 渋い感じの酒場のマスターに言われた。 「水だけでいいのでお願いします。 あとこの辺りの情勢が知りたいので 教えてもらえますか?」 フレアスは情報料の銅貨を一枚 出しながらそう答えた。 「そうだな……、ここらではやっぱり レザベンド軍の動きが前よりも 活発になってきているな。 奴らは逆らう者は皆殺し、 命乞いする者にも全く容赦が無い。 なんでも噂では敵対勢力の小さな村を 焼き払ったとかなんとか。 確か軍の編成は騎士団に魔導師の部隊や 流れ者の傭兵が加わったって話だぜ。」 「もう一つ聞きたいのですが、 レザベンド軍と戦う王国軍の詳細は ご存知ですか?」 酒場のマスターは一瞬だけ表情を 曇らせたがこう言った。 「…あまり大きな声で言えないが この国の騎士に味方する東の王国軍、 その軍が主力の戦力を進行させたんだが しばらくして全滅したらしい。 お前さんも命が惜しいなら逃げたほうがいいぞ。 それでも行くならここで仲間を探すといい。」 「情報ありがとうございました。 …私は逃げたりは出来ません、 仲間を探します。」 水を差し出してくれたマスターは それからは黙ったままだった。
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