決戦までの過ぎ行く時間

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決戦の日まで残り5日。 レザベンドの城は慌ただしくなり 呼び戻された傘下の軍が合流してから 配備を進めてそれぞれの持ち場につく。 これまでの戦闘は一方的な街の襲撃、 単体か団体の冒険者が城に挑んで来ては 返り討ちにしたりなどで 兵士の軍勢が城に攻め込んでくることは まれにあったりもした。 それでも、ここまで大規模な総力戦になるのは 西の国を攻め落とした時以来のことだ。 城に控えるレザベンド直属の精鋭達、 軍の主力の騎士団に魔導師の部隊。 外には砲台に弓矢兵が多数配備。 数えればキリがないがこれほど厳重ならば 大丈夫と言えるほどの完璧な布陣。 ここにいる誰もが自分達の勝利を疑わなかった。 決戦まで残り3日。 ドレイクは入念に筋トレを続けていて、 大剣による素振りなどや 剣術の鍛錬にも余念はなかった。 「おーし、こんくらいやりゃあいいな、 気合いもバッチリ入れ直したし もう何も不安は無いぜ。」 「戦いが間近なのはわかるけど、 出来れば戦いなんてなければいいのにって そう私は思うわね。」 リーサは筋トレの様子を眺め終わると そう言いながら彼に汗拭きタオルを渡した。 「そうも言ってられねぇのが現状だな。 戦わないと先には進めない、 ここまで来ちまった以上は戦いに勝ち上がって その先の未来とやらに行くしかねぇのさ。」 ドレイクはリーサを抱き締めていた。 リーサも気を許して受け入れると 強く抱き締め返す。 二人はキスをすると愛を確かめ合っていた。
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