決戦までの過ぎ行く時間

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決戦の日まで残り1日。 その日の綺麗な星空が見える夜に メーティアはレザベンドに 自分の気持ちを打ち明けていた。 「レザベンド様、私はレザベンド様のことが 心の底から大好きです。 いつまでもお慕い申し上げています、 この気持ちに嘘や偽りはございません。」 「うむ…、お前の気持ちはわかった。 だが、すまないが私は…… お前のその気持ちには答えられん。」 「ど、どうしてでしょうか…? 私が非力で、頭が悪いからですか? それだったらレザベンド様に 認めてもらえるようになります!」 「そうではない、お前は私が見るに 眩しいほど純粋で優しい。 悪事を働いたことがないのも知っている。 私は両手を血に染めてまで 戦いを求めた結果、多くの命を奪ってきた。 だから私とは吊り合わないからやめておけ。 …そんな私でもかまわないなら、 好きにするがよい。 お前の気持ちに本当に偽りが無いのならば その気持ちに答えようではないか。」 シュンとなっていたメーティアだが、 最後まで話を聞いていたら パアッと表情が豊かになった。 「ありがとうございます! どんなレザベンド様でも私はかまいません…、 私の気持ちは変わりません!」 彼女は嬉しさで思わず レザベンドに抱き着いてしまっていた。 「物好きな奴だ、決戦間近だが こういうのも悪くはないな…。 私が死ぬかもしれないと思ったから 告白したわけだな?」 「はい、もしかしたらレザベンド様が 死ぬかもしれないって思ったら、 いてもたっても いられなくなってしまって…。」 レザベンドは笑うと その日は珍しく機嫌が良かった。 メーティアは満足すると部屋を出てから 自分の部屋に休みに行く。 その後の二人の様子を見た ゼノバードは察すると、 特に詮索はせずに黙って見守ることにした。
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