総力戦

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同盟軍の兵士や騎士達はテントを いくつか張って、つかの間の休憩をしていた。 そして、いざ出陣して行進を始めると 雰囲気は がらりと変わった。 一人一人が真剣に武器と防具を身に付け 命を懸けて戦いに赴く。 戦力としては北にも南にも 装備などの風貌や魔力から察するに 凄腕の騎士や魔法使いが集まっていて 心強いことこの上なかった。 「全軍に伝える! もうじき目標地点に 到達する、油断せず気を引き締めて進め!」 トルタユニスはよく聞こえる声で軍を鼓舞すると 険しい道のりを馬に乗りながら進んだ。 数十分後にはレザベンドの城が見えてきて その周りを固める軍勢が確認できた。 「な、なんて数じゃ…。こちらと同じ、 いや、それ以上の戦力が集まっておる。」 ガルロは驚くと額に汗を滲ませたが 拳の骨を鳴らすと足を止めずに歩く。 フレアス達も遠目に見えるレザベンド軍を 見てからかより一層に緊張するが 戦いに対する恐怖よりも 戦いに立ち向かう闘志のほうが大きかった。 ようやくレザベンドの城の周辺まで 北と南の同盟軍とレジスタンス達、 その後に続くフレアス達が辿り着いた。 あいまみえるレザベンド軍は敵対勢力を 見ても逃げも隠れもせずに 武器をかまえて迎え討つ態勢でいる。 両軍が向き合うような形で揃った時、 決戦の幕が上がったのだった。 作戦通りに左右に北と南の同盟軍と レジスタンス達が展開していき 岩や谷などの障害物を駆使して交戦が 可能な距離まで接近しにいく。 なぜ正面から行かないかと言うと 左右に展開することで相手の注意を引いて 戦力を分散させる狙いがある。 数分後には剣と剣がぶつかり合う音が そこら中で鳴り響き、弓矢兵が矢を放つ。 魔法使いが魔法を唱えて応戦したりし 戦いは時間が経つにつれ激化していく。 トルタユニスは先陣切って敵を蹴散らし 前へ前へと猛進した。 レジスタンスを指揮するガルロは 勇敢な戦いぶりを見せ レザベンド軍の騎士団を拳で打ちのめす。 それを補助するように フレアス達も一緒に戦い始めた。
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