それぞれの戦い

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決戦が始まる一時間前、 レザベンドの城のある部屋で集まるのは この城で最もレザベンドが信頼する仲間達。 ドレイク、ラウル、ゼノバード、 リーサ、メーティアらと レザベンドは決戦に向けて話をしていた。 「皆、知っての通りこの城に 大規模な敵の軍が向かって来ている。 この戦いでここにいる誰かしらが 命を落とすかもしれぬ。 私としてもそれは例外ではない。 …いつものような戦闘にはならないだろう。 一応、敵を迎え討つ配置を決めておく。 ドレイクは一階の階段前の中庭。 ラウルは二階の階段前の書物庫。 リーサは三階の食堂前。 メーティア、お前は戦えないから 四階の自室で鍵を閉めて待機していろ。 ゼノバードはこの部屋から出たところの 私のいる部屋の扉の前を頼む。」 「まかせてくれ! どんな敵でも 捻り潰してやるぜ!」 ドレイクは戦いたくてワクワクしていた。 「僕としては前に会った魔女が どこまで苦しめれば壊れるか知りたいかな。」 ラウルは顔は穏やかだが 口元は悪意に満ちて笑っているように見えた。 「かしこまりました、 私はレザベンド様の命令に従います。」 ゼノバードは丁寧に返事をすると 部屋から出て行く。 リーサはメーティアを連れて歩くと 皆の無事を祈るようにお願いしていた。 一時間後、 ドレイクとバティは武器をかまえると 一騎打ちを始めようとしていた。 「お前さん、良いやつだな。 普通は敵だったら 何があっても通さないだろ?」 バティは始める前にドレイクに言う。 「そのつもりだったんだけどな、 なんだかお前らを見てると そう悪い奴らには…、見えなくてな。 こう言うのはアレだが もし違った出会い方をしていたら 俺はお前らの仲間になってたかもしれねぇな。 それよりも早く始めようぜ…、 見た感じお前は強そうだし 他の敵よりも倒し甲斐がありそうだ。」 「そうだな、始めるとしようか。」 二人は話をやめると ほぼ同時に剣を振るい、戦いだしていた。
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