それぞれの戦い

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ガキィン…!! カン!キキン! 剣で攻撃を受け流したバティは 身を逸らすと双剣の連撃を 繰り出してドレイクにくらわせたが 防御していたのか腕の装甲を少しだけ 削っただけであまりダメージは入らない。 反撃の大剣のフルスイングが バティの鎧を掠めたが、 回避が間に合ったおかげで致命傷はなかった。 その代わりに避けた先の大木は薙ぎ倒され、 音を立てて地面に転がった。 コロシアムとは違い両者は手加減なんて 出来ないまさに真剣勝負。 それでも、バティは知っていた。 ドレイクには名前は聞いてないが デートしていた彼女がいることを。 『どうしたもんかな、手は抜けないが 命までは奪いたくはない。 一騎打ちといっても必ずしも 相手を殺すルールなんてないしな…。』 バティはそう思うと考えを巡らしたが 今は戦いに集中しないとこちらがやられる。 ドレイクがショルダータックルをかまして 隙を見せていたバティを吹き飛ばす。 「しまった、双剣が…!」 バティの双剣は吹き飛んだ際に 二つの内の一本だけ手から離れて 茂みに隠れてしまった。 双剣の片割れを探す余裕も無いままで ドレイクが追撃する。 「そおおりゃあ!! これでもくらいやがれッ!」 "剣技,, ストライクスラッシャー 剣を高速回転させながら一回転し、 相手を切り刻む技だ。 「ぐああぁぁ!!!」 技はバティに直撃して痛みで叫んでしまう。 大剣が鎧をえぐるとズタズタになる。 幸い、身体自体は何ヶ所か切り傷を受けたが まだ戦闘は続行が出来た。 血をボタボタと流しながらバティは 双剣が一本足りなくてもかまえをとった。 剣がある限りは負けてない、 それに体術が出来る体力も残っている。 訓練していた体術はこういう状況に 陥った時だからこそ活かされる。
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