それぞれの戦い

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バティは戦いで受けた傷を必要最低限だけ 薬草で治してから先に剣を振るって攻撃。 ドレイクがその一撃を大剣ではじいた その瞬間を狙い、足払いをかけた。 態勢を崩したところを すかさず組手の要領で掴んで投げ飛ばす。 地面に叩きつけられて打撃をくらうも 打たれ強いドレイクは立ち上がった。 ここで負けるわけにはいかない、 その想いが彼を奮い立たせる。 「なかなかやるじゃねぇか。 俺の剣技をまともに受けても まだ戦えたのはお前が初めてだったぜ。」 「装備を新しくしたおかげかもな。 それか当たりどころが良かっただけさ。」 バティはここで魔法をこっそり唱えた。 ドロテーのように強力な魔法は使えないが 剣に魔力を流し込むことくらいは出来る。 装備している蒼玉の双剣の片割れの剣は、 魔法を剣に宿すことで その威力を上乗せすることが可能だ。 手強くタフなドレイクを倒す方法は この魔力を込めた剣で戦うのが有効だった。 ドレイクは大剣を握り直すと 力のかぎり振り回した。 周りにある茂みや木々が粉々に砕ける。 剣をへし折る魂胆だろうか、 そうはさせまいと動いたバティは 上手く斬撃をかわして距離を詰めに行く。 そして攻撃が届く距離に来た時に バティは双剣でなくても一本の剣で まるで舞うように剣を振るって 連続して確実に斬撃を叩き込んでいった。 剣に込めた魔法は "凍える刃,, アイスエッジ。 剣は冷気を放つと受けた相手に 氷属性のダメージを与える。 攻撃を受けたドレイクは…、 魔法を受けてもいないのに 氷属性のダメージを受けたので困惑した。 一発や二発なら耐えられるが 連続となると鎧にはヒビが入り、 剣を通して魔力が 直に伝わり体力を奪っていく。 「まだだ、俺の力はこんなもんじゃねぇぞ! これで最後だ……!! 」 ドレイクはバティの攻撃に怯むことなく 態勢を立て直すと勝負に出た。 回避しようのない速さと距離、 渾身の力で振るう大剣の重い一撃。 その瞬間バティは……
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