それぞれの戦い

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ドレイクとバティが戦いだした頃に フレアス達は二階を探索していた。 ドロテーはソーサレス ローブを見つけた。 魔導師や魔女が装備すると 魔法によるダメージを軽減出来る 効果を発揮する優れ物だ。 乱雑に置かれたところを見るに おそらくサイズが合わなかったのか 誰も着なかったと思われる品、 ドロテーが装備するとピッタリフィットした。 そのまま探索を続けていくと、 普通の部屋より広い空間で 本棚や本が沢山ある書物庫に着いていた。 「逃げずにここに来たということは、 僕と戦うことになるけどいいんだよね?」 誰もいないはずの背後から声がして フレアス達が振り返ると、 闇の魔法使いラウルがそこにいた。 「…ラウル! 今日は本が失われても 敵である貴方の読む本に私は関係ないわ、 フレアス、先に行って。 私だけの力で倒さないと気が済まない。」 「わかりましたドロテー、 無理せずに追いついて来てください。 …信じてますからね!」 フレアスはそう言うとラウルが動く前に アマンダと素早く走ると 三階への階段を見つけて上がっていった。 ラウルは一瞬のことで魔法を唱え損ねたが ドロテーとの対決のためにあえて見逃す。 「二人きりだね、何か一緒に踊ろうか? 君は歌を歌う方が好みかな…? それとも…、わざわざ死にに来たのかな?」 ラウルはケラケラと笑うとスッと無表情になる。 「…おふざけはもういいわよ、 今から始まるのはただの命の奪い合い。 私を見くびると痛み目に合うんだから。」 ドロテーはラウルを睨みながら言い 温存していた魔力を放出した。 その言葉を聞いたラウルも おぞましい魔力を出すと杖をかまえていた。 書物庫での戦いが始まった。
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