それぞれの戦い

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ドロテーは先制攻撃して魔法を唱えた。 "火炎の球体,, ファイアーボール 打ち出された魔法に対するように ラウルも魔法を唱える。 "灼熱の業火,, インフェルノ バースト ドロテーの魔法よりも高火力の炎属性魔法を 呼吸するかのように出すと、 その魔法はファイアーボールを 飲み込むとかき消した。 ドロテーはとっさの判断で 本棚の隙間に飛び込んで魔法を回避した。 「おやおや、少し驚かせてしまったかな? 今のはほんの挨拶程度。 僕の得意技は炎ではなく闇魔法。 次は逃さないよ……。」 ラウルは魔法を唱えた。 "暗黒の波動,, ダークウェーブ ドス黒く紫色の魔弾が高速で飛んでいく。 本棚の隙間から出て ドロテーは魔法を唱えていた。 "土塊の防御壁,, ストーンウォール 本棚より耐久性があり立派な盾になるが、 ダークウェーブは作り出された 頑丈なストーンウォールをなんと貫通。 その予期しない速さで 闇魔法がドロテーを捉えていた。 「キャアアアァァーーー!! あ…、うう……。」 書物庫に響く絶叫。 頭の中に流れ込む魔力は痛み、苦しみ、 不快感を伴わせて対象の精神を蝕む。 「フフ…、 アッハッハッハ! なんとも気持ちいい悲鳴だね。 ああ…、なんて君は素晴らしいんだ。 もっとその悲鳴が聞きたいなァ。」 ラウルは感情を露わにして笑うと 歪んだ人物なのが窺えた。 ドロテーはなんとか痛みに耐えながらも 魔導書を開くと次の魔法を唱えた。
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