それぞれの戦い

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ドロテーが手に持つ魔導書は光属性の魔導書。 南の図書館で入手したこの魔導書は 闇魔法に唯一対抗が出来る属性、 光魔法が使えるようになる。 "聖なる光の波動,, ホーリー ウェーブ 青く光輝く光弾がラウルに向かって飛ぶ。 それは一筋の矢のようになって速くなっていく。 ラウルは慌てず冷静になって 防御魔法を唱えた。 "闇の盾,, ブラックシールド 彼の周りに防御壁が発生して 魔法と魔法がぶつかるも、 ホーリー ウェーブはまだ消えない。 魔法は精神力の強さも威力に反映される。 ドロテーの強く挫けない心が その時だけ、ラウルの魔力を上回った。 「え! うわぁ!? なんだ…! この力は……?」 ホーリーウェーブが眩く輝くと ブラックシールドごとラウルを包み込んだ。 大ダメージを受けたラウルは 何が起こったのかわからない様子だ。 「…これでわかったわ。 貴方に私の魔法は通用する、 諦めさえしなければ貴方に勝てる。」 「それは…どうかな? さっきのは、まぐれだよ、僕が君に……、 魔女ごときに負けるわけないんだ!」 ラウルは激怒すると遊びはもうやめて 本気を出し始めた。 "邪悪な悪夢,, シャドウ ナイトメア 広範囲に広がる相手に毒、麻痺、 さらにスリップダメージを与える高等魔法。 ドロテーは避けようがないこの魔法を くらうしかないが歯をくいしばって耐える。 こんなところで死にたくない……。 仲間の魔女達の仇を討つまで、 レザベンドとの戦いまで フレアス達と共に戦いたい。 ドロテーを支える者たちを思う 気持ちが大きくなると魔導書が光り出した。 少しずつ毒と麻痺が身体に流れて巡るが ドロテーはかまわずに魔法を唱えた。 "浄化する光,, シャイニング レイ ラウルの闇魔法を上書きするように 広範囲に強力な光属性の魔法が降り注ぐ。 信じられないといった表情のまま、 杖を握りしめたラウルは魔法をくらうと ボロボロになり口から吐血した。
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