それぞれの戦い

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ドロテーがラウルと戦い始めた頃に フレアスとアマンダは三階を探索していた。 ドロテーもラウルと戦うために抜けていき 仲間はアマンダ一人のみ。 肉弾戦が出来る彼女がいれば心強いが 最後に待っているであろう レザベンドと戦うとなるとキツいものがある。 それでも後から追いついてくれると 信じながら先に進んだ。 長い廊下を抜けて曲がり角を曲がると、 部屋の上に書かれたプレートには 食堂と書かれていた。 中には沢山のテーブルに椅子が置いてあり カウンターには様々な食材や食器などもあった。 その一つのカウンター席にいたのは メイドのリーサだった。 彼女の武器はレイピアで 剣術はドレイクから教えてもらっていた。 速さとしなやかさ、安定力が強みだ。 「あなたがフレアスね? レザベンド様に仇を成す敵なら この先は通さないわ!」 彼女は過去にレザベンド軍を 恨んだことがあったが、今は違う。 復讐をする気はとうの昔に無く 戦える使用人としての勤め、 任せられた役割を果たそうとしていた。 アマンダが前に出るとフレアスに言った。 「ここは私が行くわ。 いくら敵だとしても女性を傷つけるのは 騎士として気が引けるでしょ?」 「確かにそうですね。 ここだけはアマンダに譲ります。 くれぐれも無茶だけはしないでください。」 アマンダは振り返らずに 片手を上げながらヒラヒラさせて 返事を返す、 私にまかせてと。 「あ! 待ちなさい、止まらないなら 攻撃を開始す……! 」 フレアスを止めようと走りだした リーサの髪をアマンダの拳がすり抜ける。 「貴女の相手はフレアスじゃなくて私、 レジスタンス団長ガルロの孫娘のアマンダよ。」 拳を鳴らしてアマンダはかまえる。 リーサも覚悟を決めると レイピアをかまえて攻撃態勢に入った。 フレアスは食堂の先にあった階段を上がると レザベンドのいる階に近づいていった。 食堂での戦闘が始まった。
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