それぞれの戦い

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アマンダは受けた切り傷を包帯で止血すると カウンターの裏に回って 何か使える物がないか探した。 食器棚に食器や調理器具があるので とりあえず手当たり次第に投げ、ぶちまける。 リーサは飛んできた物を テーブルを盾にすることで防御した。 お返しに木製の椅子をいくつか投げ返す。 アマンダは自慢の拳で 飛んできた椅子を全てバラバラに粉砕した。 その隙を見てリーサが素早く接近して 闘気を込めた必殺技の溜め、 剣技を放つ瞬間に それをアマンダが恐れずに阻止、 技の威力が効果を発揮する前に封じていた。 ガシ…! パキィン! アマンダはレイピアを握ると 思いっきり力を入れていき、砕いた。 「どうする? まだ続ける? 降参しないでまだ戦い続けるなら 貴女に勝ち目はないわよ?」 「……こ、降参よ。抵抗をやめる。 この先の階段を通って四階、 さらに階段を上がって五階に行けば その奥にレザベンド様の部屋があるわ。」 リーザは両手を上げて 既に戦意が無いのを示した。 もし敵が男性で、身に危険が迫る 悪党だったなら死ぬ気で抵抗しただろう。 しかし敵は女性でその危険はなかった。 「わかった、さらに上ね。 貴女が戦い好きでなくて良かったわ、 勝利の要因はそこだったかな。」 「私としても貴女が虐殺を好む 敵じゃなくて助かったわ。 そういう意味では命拾いかしら、ね。 先に進むのなら食堂の使える物は 好きに使ってもいいわ。」 リーサは負けを認めると階段への道を空けて 近くにあった自分の部屋に入っていった。 アマンダは戦闘終了後に ちゃっかり食堂で食べれそうな食材で 腹ごしらえを済ませてから フレアスの後を追うように階段を上がった。
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