それぞれの戦い

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フレアスは上の階の五階に上がっていき 奥へと進むと、扉の前に立つように 黒髪の執事がそこで待っていた。 「フレアス様ですね? お待ちしておりました。 私はゼノバード・クランスリオ。 レザベンド軍のNo.2にして 任された全ての業務をそつなくこなし レザベンド様に信頼される忠実なるしもべ。 この先は私が通しません、 通るというのならばかかって来てください。」 ゼノバードは剣を抜くとかまえていた。 フレアスも剣をかまえて対峙する。 戦い始めてわかることは 持ち前の剣術の技量、速さ、戦闘能力。 剣の強さはほぼ互角。 達人の域にある剣術はどちらも隙が無い。 ゼノバードは魔法を唱えた。 "凍てつく氷の息吹,, コールド テンペスト 振りつける氷の嵐が発生する高等魔法。 その氷の刃は対象にダメージを 与えるだけでなく体温と魔力を奪う。 フレアスは魔法を耐え凌ぎ、 反撃の一打を振るうもゼノバードの動きを 捉えきれず空振りしていた。 「どうされました? 私に手こずるようでは レザベンド様の足元にも及びませんよ?」 「力を温存するつもりでしたが…、 そういうわけにもいかないですね。」 フレアスは薬草で回復した後に 集中すると剣技を放った。 "剣技,, ショックスラッシュ 剣先から出した衝撃波と斬撃が ゼノバードに直撃したかに見えた。 しかし…、それは残像だった。 一瞬にして背後に移動した ゼノバードは攻撃する前に言った。 「貴方のその技は大変強力ですが、 素早い敵に当てるには誰かしらの サポートが無ければまず当てられないでしょう。」 フレアスが反応するよりも先に 剣で切り裂いてダメージを与えた。 ゼノバードは魔導師でもないのに ラウル並みの強力な魔法を使いこなし、 ドレイクに匹敵する剣術の腕前があった。 一つ確かなこととしては レザベンドはゼノバードよりも 遥かに強いという点が揺るがないところだ。
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