それぞれの戦い

21/21
前へ
/130ページ
次へ
ゼノバードは大ダメージを受けると 流石にその顔に汗を滲ませる。 まさか…、こんなにも仲間の力が 強すぎるとなるとこの状況は 不利になったとしか言わざるを得ない。 彼はフレアス達の力を甘く見てしまい 自分の力を過信し過ぎていた。 一人当たりの軍の兵士の力は弱い、 それが集まって大きな軍の力に変われば 強いようにこれでは多勢に無勢だった。 呼び寄せた親衛隊を見るに アマンダが縦横無尽に戦った結果、 フレアス達に圧力がかかっていなかった。 思考を巡らせ剣を振りかざして戦うも… バティの双剣の連撃をくらって わずかによろめき隙ができる。 そしてドロテーの唱えた魔法、 ホーリー ウェーブでサポートすると フレアスはその隙を狙い打つ。 "剣技,, ショックスラッシュ ゼノバードはくらうと後ずさりしたが 立ったままでまだ倒れはしない。 今のが決定打ではないにしても このままではやられてしまうのは 恐らく時間の問題だろう。 負け惜しみになるが 本気を出し続けて戦えば この命を引き換えに二人くらいは 道連れに出来る自信はある。 しかし、それだと戦力は減っていき レザベンドの望み通りの戦果が上げられなくなる。 アマンダが親衛隊を全て倒しきった時、 ゼノバードは苦渋の選択をした。 彼は剣を鞘に収めて言った。 「参りましたね…、 ここは通さないつもりでしたが 私が倒されて死んでしまうと 色々と困る方が出てきてしまいます。 では、レザベンド様の部屋にご案内します。」 彼は戦いをやめると 守っていた扉を開けてくれた。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加