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「注文がお決まりでしたらお知らせください」
「ありがとうございます」
大抵選ぶモノは決まっている。
だけどメニュー表を見るというのも決まっている。レストランのメニューはいつ見てもちょっとわくわくしてしまうものだった。
ほぼ昼時ということもあって、店内はこれからもう少し増えるだろうかという程度の混み具合だった。
僕の席の近くにはいくつか荷物が置かれていたが、まもなくしてその持ち主と思われるマダムたちが戻ってきた。
席に着くより早いか楽しそうな会話を繰り広げる雰囲気に、ちょっとだけ聞き耳を立てつつ。
――ピンポーン。
「お決まりでしょうか」
「ミラノ風ドリアで、ドリンクバーをセットで」
「かしこまりました」
結局こうなってしまうのだった。
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