少年グルゾ

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「グルゾ君、着いたよ」 フィリップ様は建物の前に馬車を止めると中へ入って行く 僕はフィリップ様を追いかけた 「ご主人様、ここは何処なのですか?」 「此処はね私の研究施設なのだよ」 「研究…施設…?」 フィリップ様によると、フィリップ様は魔導具の研究を行っているらしい 様々な魔導具を創り、研究しているらしい 「ご主人様、僕は何をすれば…」 「グルゾ君には助手をしてもらいたいのだよ」 「助手…ですか?」 僕は首を捻る だって助手なんて5歳に任すような役職ではない てっきり雑用を任されるものだと思っていた 「おかしいかい?」 「失礼ながら不可思議と思われます」 「でもねー、助手にするのも理由らしい理由は無いのだよ」 「はぁ…」 フィリップ様は助手の人手が足りなくなったから、役職を助手にしたのだと言う 「ね、大した理由じゃ無いだろ?」 「…わかりました、精一杯勤めます」 「…本当に子どもっぽく無いね」 フィリップ様は小声で何かを言ったが聞こえなかった 外で少し待っていると研究施設から誰か出てきた それは軍服を身に纏った女性だった 「クンネル大尉、ご苦労様」 「はっ!フィリップ殿もお疲れ様であります」 軍服を着た女性はフィリップ様に敬礼をしていた 何処かの国の敬礼なんだろうけど実際に見た事ないから分からなかった 女性はフィリップ様の後ろにいる僕を見た 「フィリップ殿、これが新しい奴隷でありますか?」 「ああ、そうだよ。グルゾ君挨拶を」 フィリップ様に言われて僕も挨拶をした 「グルゾと言います、5歳になりました」 「うむ、私はクンネル・ハーバード大尉である。元は帝国軍人だったが、現在はフィリップ研究施設で警備隊副隊長を勤めさせて頂いている。よろしく頼む」 「は、はい。よろしくお願いします」 も、元帝国軍人かー… すごくかっこいいなぁ というかこの建物フィリップ様の研究施設だったんだな フィリップ様が所長って訳か 僕がクンネルさんを見て惚けていると、フィリップ様が話始めた 「クンネル大尉にはグルゾ君の案内を頼むよ。用意していた部屋へ案内してあげてくれ」 「はっ!施設の整備案内はどうされますか?」 「それは明日僕がするよ」 「分かりました。失礼します」 クンネルさんはフィリップ様との話が終わると僕の方を向いた 「行くぞ、グルゾ」 「わ、分かりました!」 クンネルさんがさっさと歩き出す 歩幅が全然違うけど頑張って追いつかなきゃ 僕はこの研究施設で起こる事にワクワクしながら入っていった 「…くっくっくっ……」
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