1話 始まりの間

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1話 始まりの間

気づけば、不思議な空間にいた。 夜空を投射したような空間 そして、中央には巨大な青いクリスタル 「ああ、これは夢だな…」 きっと夢から覚めた時には、忘れているだろう言葉をつぶやく。 いつだって夢から覚めた時の感想は、「ああ、夢だったか」だからだ。 そして、今夜の夢は何かなと考えていると 中央のクリスタルに文字が表示された。 (キャラクター作成…?) ボタンのように感じられた文字を押してみようと、手を伸ばしたところで…視界に手がない事に気付いた。 手の感覚はあるのに認識できない…VRゲームのようだ。 (まあ…夢だからな) 特に気にせずキャラクター作成を押してみる。 性別、男を選択。 種族、人間以外には…エルフ、ドワーフ、龍人、魔族?…何やら結構な数がスクロールされる。 (めんどうだな…) と、思っていたら、1つ厨二病を刺激される種族があった。 (これしかないな…) さて、年齢は12歳から22歳まで選べるようだ。 この手のゲームでよくあるのは、22歳はステータスが完成されていて一見強いが、 成長曲線を自分でコントロールできる低年齢スタートの方が、最終ステータスは高くなる。 …12歳を選択する。 次にクリスタルに表示されたのは、容姿だ。 ヘアスタイルから目、口、カラーと、かなり自由度が高い。 キャラクターメイキングが一番楽しいので、ここは時間をかけて自分の理想を作成する。 黒髪のセミロング、目は緋色、一見すると…というか、どこから見ても女の子にしか見えない男の娘だ! なんかもうここで満足したから、ゲームクリアで良いかなと思うくらい、クリスタルの中にはリアルな姿が映し出されている。 とりあえずOKボタンを押したら、ステータスポイントとサイコロボタン、そして0の数字が表示された。 ああ、これはランダムポイント獲得からのステータス振り分けだな。 サイコロボタンを押す。 0の数字がスロットのように回転したあと 23 と表示された。 サイコロボタンはまだ表示されたままで、OKのボタンが現れる。 (3桁があるかはわからないけど、99が今のとこ最高値だな) もちろん、23なんて低い数値で決定するわけがない。 サイコロボタンを押す…19…押す…55…押す…8… … …… ……… 何時間経過したのだろうか? 単純なゲーム程恐ろしいもので、永遠と最高値を求め繰り返していた…。 あまりに単純な為、脳が停止したのか、99が出てもサイコロを押してしまった…同じ過ちは繰り返さん! … …… ……… これまた何時間経過したのか、その時は訪れ… 「きた!…100⁉︎」 3桁があったという驚きと、99をスルーしてしまった反省から、OKボタンを押す。 …というか単純に疲れた…永遠とボタンを押す作業に… そして 攻撃 防御 知力 魔力 速さ のステータスが表示された。 ここに100ポイントを振り分けるようだ。 攻撃と防御と速さはわかるが、知力と魔力の違いはなんなんだろうか? そんな疑問を覚えながら、MAXを知る為、攻撃に全振りをすると… 10で止まった⁉︎ (ポイント余るんだが…余ったポイント何かに使えるのか?) とりあえず全てに10ポイントを使い、OKボタンを押す。 【才能の限界突破ができます】 メッセージが表示されると、またステータスが表示された。 なるほど、10というのはステータス値ではなくて、成長率の基礎値という事なのか? ガイドナビも説明書もないのが不便すぎると思いながら 攻撃30 防御20 知力20 魔力10 速さ20 に振り分け、完了させる。 極振りなんて初心者には扱えないから、初心者にはやはり無難な物理職だよね。 「ああ、でもこれゲームじゃなくて、夢か」 夢だと覚えてないだけかもしれないけど、場面が飛ぶんだよね。 次はいきなりラスボスと戦ってたりして… なんて考えてたら、景色が一変した。
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