夏のおわり

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 お正月は、それまでと変わらなかったはずだ。 「やっぱり、お母さんが車で送っていこうか?」 「いいってば」  心配そうな声を振り切るように、玄関に向かう。 「気をつけてね」  いつもはスルリと出る一言が喉につまって、何も言わずに外に出た。  いってきます。  僕が言う代わりに、ドアがビシャンと巨大な音を立てた。肩がビクッとしてしまう。  それでも、振り返らずに家を出た。
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