8月8日

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8月8日。 今日は二人で海に行った。 でも海水浴場じゃないから泳げなくて、波打ち際に足をつけて遊んだだけだった。 ・・・まずそもそも水着も持っていなかったのだけれど。 それから岩場に行って、ヤドカリをみつけてはしゃぐ彼女を見て楽しんだ。 バランスを崩した彼女の手を掴むと、えへへ、と恥ずかしそうに彼女が笑う。 危なっかしく、でも楽しそうに岩場を歩く彼女の後ろ姿は忘れない。 気をつけなよ、という僕の声にはーいと返して何も変わらない様子で歩いていく。 何も気をつけてないじゃないか、と呆れながら、何かあったらすぐに助けられるようにと、彼女の後ろを歩いた。 こんなところ、子供の時から来ていないなと、懐かしく感じていると、いつの間にか立ち止まっていたらしい。 彼女との距離が随分と離れていた。 彼女が駆け寄って来るのを制しようとしたが、時すでに遅し。 つるんと滑って水たまりに尻もちをつく。 びしょびしょになった彼女を苦笑しながら助け起こす。 何をしているんだと言うと、ついてこないのが悪いと怒られた。 理不尽だと思うのは僕だけだろうか。 とりあえずお詫びに今度ジュースを奢ることで話はついたが、ぷりぷり怒っている彼女をなだめるのは少し骨が折れた。 全く、こんな状況でも楽しいなんて思ってしまうのはどうしてだろう。 不思議な気持ちだ。 8月8日。 今日は二人で海に行った。
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