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8月9日。
今日は二人で川遊び。
久しぶりに、これはデートかと聞いてみると、やっぱり顔を真っ赤にして怒られた。
じゃあなんで今でも遊び続けているのかと思ったけれど、そんなことを聞いたらまた理不尽に怒られる気がして心の中にそっとしまっておくことにした。
最近なんて明日の約束をすることすらなくなった。
それなのに毎日会えているのは偶然なのか、それとも・・・
きゃー冷たぁい!
そんなくだらない思考は、彼女のはしゃぐ声に遮られた。
早く来いと催促されるから、恐る恐る水に足をつけると、確かに冷たくて気持ちがよかった。
あんまりはしゃぐとまた濡れるよ、と声をかけると、そんなことないもんと水をかけられた。
やり返すと、もう一度かけられたので、もう一度やり返す。
そんなことを繰り返していたら、二人ともびしょびしょになった。
二人で川べりに座って服を乾かす。
楽しいねぇと、こちらを見てふにゃりと笑った顔は忘れない。
こんなにびしょ濡れになって何が楽しいのかは全くわからなかったけれど。
呆れた顔でいるつもりだったのに、楽しんでくれてるみたいで嬉しいと彼女に言われて困惑する。
そんなことはないと言おうとして、そんなこともあるかもしれないと思って何も言えなくなった。
でも、えへへーと気の抜けたような顔で笑う彼女を見ていると、どうでもいいような気がしてくる。
楽しいかと聞くと、やっぱり帰ってくる言葉は楽しい、だった。
このままアレも消えてなくなればいいのに、なんて思ってしまう自分に苦笑する。
きっと、明日も会えるはず。
だから、難しいことなんて何も考える必要はないのだ。
8月9日。
今日は二人で川遊び。
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