8月4日

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8月4日。 今日もリベンジ。 今日も5分前に行くと、もうすでに彼女がいた。 またかと思っていつ来たのかと聞くと、ついさっきだと言う。 ようやく、噛み合った気がした。 今日も色んなところを回った。 最後、夕立に振られて二人バス停で雨宿りをした。 ざあざあと降る雨音を聴きながら、他愛ない話をした。 彼女が濡れた髪を鬱陶しそうにかきあげる様子が妙に艶めかしく見えて、目のやり場に困った。 夕立が止むと、綺麗な夕焼け空が広がっていた。 わぁっと言って夕焼け空を見上げ彼女はバス停の外へ駆け出した。 くるりと振り返った彼女の姿を、僕は一生忘れられないだろう。 夕日に透けて輝く髪も、心底楽しそうに、嬉しそうに笑う表情も、僕は決して忘れない。 8月4日。 今日もリベンジ。
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