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「えーっ、そいつぁ、きついねー、船長!」カッパードはぼやいた。
「あー・・・アイ、キャプテン!」無口のスーレーはそれだけ答えて頭を掻いた。
「なにしろ、この嵐でフォトン海図表示システムとフォトンジャイロシステムの再調整をオレージナにやってもらわなければならないし、レッドンにはフィン・スタビライザー制御盤の修理をやってもらわないといけないんでな・・・二人はブラーウ先生とヴェルデの護衛役ということだ」
パプラ船長の再説明に、カッパードは返答した。
「アイ、アイ、キャプテン!」
「あと、船内の各種備品が転がったり破損しているかと思うので、オレージナとレッドン以外は各自の担当部署の点検にかかってくれ!よろしく頼む」
船長の号令に全員が、
「アイ・キャプテン!」
と答えた。
******
「ねぇ、船長」
フォトン海図表示システムとフォトンジャイロシステムのそれぞれがはじき出した空間座標の数値をチェックしながら、ブリッジにパプラ船長と二人だけになったオレージナは尋ねた。
「なんだい?オレージナ」とパプラ船長。
「アタシが昨日、ヴェルデの調整に立ち会ったとき、ブラーウ先生とレッドンは特に怪しい所作はしていなかったね・・・もっともブラーウ先生がやっている内容は詳細まではわからなかったけどね?」
そう言いながら、オレージナはわずかな誤差が生じていたフォトン海図表示システムの再度の校正をかけた。
「レッドンやグリンドーとは1回航海で一緒になったが・・・ブラーウ先生とは初めてだ、彼は信用できる人物なのか?」とパプラ。
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