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「・・・船長も知ってると思うけど、アタシは6年前まで海賊をやっていた・・・その海賊をやっていた最後の年なんだけど、ある客船を拿捕したときに拉致して無理やり海賊船の船医になってもらったのがブラーウ先生でね・・・年の若かったアタシのことをいろいろと気遣って相談に乗ってくれた・・・その半年後にその海賊船が大栄帝国艦隊に攻撃され、大方の海賊達が戦死したり、捕らえられたりして、アタシとブラーウ先生も捕らえられたけど、ブラーウ先生がアタシのことを客船から拉致されて無理矢理、海賊と娼婦をやらされていたと言い張ってくれたおかげで、鞭打ち5回、拘留一週間でなんとか釈放されたんだ・・・その間に刑務官どもの要求に身体で応えたことも釈放された大きな理由の一つなんだけどね・・・でもブラーウ先生はすぐに釈放されたので、その後は行方がわからず会っていなかったんだ・・・」
オレージナは少し目を潤ませながら語った。
「なるほど・・・大変だったんだね・・・ブラーウ先生は信頼できそうだな」
パプラ船長は3Dソナーシステムのチェックをしながら言う。
「オレージナ、君とはこれで3回目の航海となるが・・・前の2回のときも本当に君がいてくれて助かった・・・特に女を要求する船員の問題でね・・・礼を言うよ」
パプラ船長はオレージナに向かって頭を下げた。
「あ、そんな頭を下げてもらったら悪いよ!」
とオレージナ。
「女を要求する船員に関することは、アタシの仕事の一つだから気にすることないよ、毎度のことさ・・・それよりもパプラ船長の采配で、他の船長のときよりもずっといい給料と待遇をしてもらって、こっちこそ感謝しているよ!」
「ありがとう、オレージナ・・・そう言えば、君の生い立ちを聞いたことがなかったが、もし差し支えなければ聞かせてもらえないだろか?」
「・・・いいよ、パプラ船長」
5歳年上のパプラ船長にオレージナは自分の生い立ちを語り始めたのであったが・・・その話、今は、パプラとオレージナの間だけの秘密となった・・・
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