1.生まれ変わっても、また君に会いたい

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すると、一緒に営業先から戻ってきた後輩の加川(かがわ)が、 「二十代で全店トップなんて凄いですよ! 俺、君嶋さんみたいになりたいと思って仕事してます!」 なんて可愛いことを言ってくる。 「よしよし。嬉しいこと言ってくれたお礼に、今夜飲みに行かないか? 奢ってやる」 「本当ですか! やったぁ!」 「えー! 加川君ズルい! 私も行きたーい!」 「はいはい。皆で行こうぜ」 「やったー!」 ーー君嶋 彼方(かなた)、二十七歳。 自分で言うのもあれだが、仕事はデキるし、上司からの信頼も厚く、後輩からも慕われている。 努力していないわけではないが、これといって挫折したこともなく、毎日充実している。 顔も良い方だと思ってるし……強いて言うなら、ここ二年ほど彼女と呼べる存在がいないのが悩みのタネではある。 それなりにモテる方だとは思うのだが、誰を見ても自分の中でどうもピンと来ず、恋人関係になり切れない。
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