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「おい。いい加減にしろって」 「ふふっ。うん。わかった。まーたーせーた、っふひ。ぐふふふふ」 荘厳な音とコミカルな音が、ものすごい早さで変わった。 「ごめんごめん。はー。まーたーせーたーなー」 「いや、まじで。あとそういう演出入らないから」 荘厳な音が鳴りやむ。 「そうそう。で?なに?もしかして異世界転生とか?ん?どんな能力とか?チートとか!?もしかしてお前がついてきたり?」 今まで笑っていたのに女神は、一気に冷めた顔で。 「え。きも。そんなもんねえし。だる。死んだくせに欲しがんなよ」 突然の口の悪さに絶句する。 「なんかぁ。冷めたんでー。いいや。んじゃお告げしまーす」 脳内に言葉が滝のように流れ込んでくる。 美少女が語りだす。 これから肉体に戻ってもらいまーす。そんで残された時間を好きにしてもらいまーす。 え?体は治ってるのかって? 笑えな。どこまでご都合主義かよ。 もちろんそのままでーす。 はあ?痛いって?グロいって? 何いってんの?事故ったの自分じゃん。 あ、ちなみに。その与えられた時間は絶対に死ねないし。意識も飛ばないから覚悟してね! よかったね!フル活用できるね! あら、お兄さん。そんな口を開けちゃって。 口の中にダークマター入っちゃうぞ! は?笑えよ。女神ジョークを。 もういいや。地球からここまでの時間と、ここから地球までの時間とを差っぴくと、うーん。だいたいあと5分ってとこかな? 言うなれば 『神の与えたもうた祝福(ざ・グリッターオブモーメント)』 それじゃあ、いってらっしゃい! あ?なに?文句?なに、知らない。 神は、勝手だもん。 なんてったって、人が産み出したからね。
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