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激痛とともに目が覚める。 激痛なんて言葉ではいい表せない。 頭が。腕が。足が。 ありとあらゆる方向に散らばって。 内臓が。血が。神経が。 至るところに飛び散っていて。 考えるどころじゃない。 あまりにも耐えられず、叫ぶ。 わめく。 声が出ない。 それでも、想像を絶する痛みに悶絶する。 気の遠くなる時間。 気が狂うのも許されない。 意識が飛ぶのも許されない。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。血が血が血が血が痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い体が体が体が体が体が体があがががががが なんで。 こんなことに。 気が狂いそうになる意識の底で。 真っ赤の視界の端で。 ぶつかってしまった車が見えた。 そこから運び出される少女。 その少女は、さっきの女神に見えて。 こちらを見て、にやっと笑った気がした。 end
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