5章 体育祭

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先輩から3.2.1と下の学年へ降りる順番で、タイムを測ることになった。 結果は先程の通り。 瀬尾先輩のタイムは〈3.54〉で俺は〈3.56〉 ほんのちょっと…0.03秒差で負けた。 「うわ、まじか最悪……」 体育祭のシュミレーションしても面倒なイメージしか湧かず、頭を抱える。 「よっしゃー!!当日桃よろしく♡」 先輩は器用に片側だけ口角をあげ、ニヤリとそういった。他の3年生に呼ばれ、そのまま胴上げされている。 (こうなったら1年も負けろ!!!) クズな願いを、必死で祈る。犠牲者は多い方が良い。たくさんいれば目立たないだろうし、精神的に助かる。 「ああー!!めっちゃ惜しかったですね!」 そんな俺の内心を知らない伊藤が、にこにこと話しかけてきた。 いつもは可愛い後輩だけど、今日は違う。 伊藤の笑った顔から覗く八重歯にまでムカついてきた。なんだよ、無駄にキラキラさせやがって!!!マジで負けろ!お願いだから! 「…いやー、ダメだった。こうなったらお前も仲間になるしかない、一緒にチアガールしよ!」 「それは無理っすわw」 バッサリと俺の誘いを切り捨てて、伊藤はタイムをはかりにあっさり去っていった… (なんでだよ!!!!) ____________________ そうして、さらっと走り終えた伊藤のタイムは、<3.49>。ぶっちぎりの1位だった。 という訳で、俺ら2年は体育祭で先輩の応援にチアガールをすることになる。 2年生の間ではブーイングが相次いで、学年代表戦で負けた罰として次いでに俺は、〖応援合戦〗にも出場させられることとなった。
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