4章 ラストノート

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びっくりした…… 混乱した脳内のまま、取り残された俺。 (え??そもそも会長って西城のこと好きだったんじゃないのか!?いや、だって食堂でチューしてたやん。俺あっつんと一緒に見てたぞそれ!!) 湧き上がってくるいろんな思いにショート寸前… なんでそうなった??って思いでいっぱい。 でも、気になるって言われただけだからYes/Noの答えは要らない状態だし、ごめんなさいっていうのも変だからなぁ…… これから会いづらい。遭遇しちゃった場合どんな反応が正解なのかわからん… ____________________ _プルルルルル…プルルルルルルルル…… スマホの着信で目が覚める。 いつの間にか考え込みすぎて寝ちゃってたみたい。慌てて応答ボタンを押す。 『……もしもーし』 寝起きのせいで声が掠れる。 『桃〜!今何してんの?』 画面を確認するの忘れてたけれど、この声は多分、湊だ。 『めっちゃ寝てた、今起きたとこ。』 『じゃあ俺からのモーニングコールじゃん。朝じゃないけど〜。』 『で、湊の要件は?』 「あのさ、今から俺とデートしよ。」 10分後に迎えに行くから〜と言い残し、通話は切れた。 デート?はよくわからんけど、とりあえず出かけるなら、ぐちゃぐちゃの髪の毛直さないと… 適当に頭を水で濡らし、ドライヤーで乾かしていたところで湊が来た。 「もも〜!!」 俺のほうへ飛び込んで来た勢いのまま、抱きついてくる。 「うわぁ、」 急に来たのでバランスを崩し、地面に倒れる。 起き上がろうとすると、湊は俺の腰骨の辺に跨り上に乗りながら、肩を押して再び倒される。 「ねぇ、」 見上げた先には、不機嫌そうな湊の顔。 いつもニコニコヘラヘラ笑ってることが多いから、めっちゃ怖い。 「なに?」 刺激しないようにそっと尋ねる。 「この匂い何?桃の香水じゃないよね… こんなスパイシーなムスク使ってなかったよね。」 あ、会長か!! 湊と距離がドンドン近づいてくる。 逃げようとしても後ろは床で、上からの力は強くて離れられない……
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