1章 変わらない日常

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喋りながら、歩いていると見えてきた2‐Sの文字。つまりは教室。 ドアに手をかけ、__ ガラガラガラ- 「ッ、キャー!!!!!!」 これも毎日の出来事。今日は会計つきだからか悲鳴度も増し増しである。 「おはー」 悲鳴が挨拶みたなものだと解釈し、俺はいつも適当に返している。 が、湊は 「おっはよ〜☆今日もみんな可愛いね」 と、サービス精神発揮中だ。 アイツは可愛いければ男もOKらしい。うーん、ジェンダーレスってやつかな?なんだか最先端な感じだなぁー。ついてけねぇ〜。 そう、ここまでの流れで分かっているかもしれないけれど、山奥の男子校だからか知らないがこの学園はイケメン信仰が激しい。 そして、BLが蔓延っているのだ。 俺は下北でベース弾いてそうとか言われる感じの黒髪マッシュ男子。ギターでもボーカルでもなく、ベースな点から察してほしいが、そこそこの雰囲気イケメンだ。 湊はキラキラオーラを纏ったチャラ男。 下半身ゆるめで思考もゆるいが、外見は100点満点。金髪に着崩した制服が良く似合っている。 「あの、湊様!今夜空いてますか??」 「今日、お菓子作ってきたんですけど食べませんか??」 「桃山様毎日尊い、、、今日も素敵です。最高得点の更新が止まらん。」 湊と俺へ様々な声掛けが飛ぶ。 入学初期はドン引きだったが、だんだん慣れてきて今では当たり前のようになってきた。 「だよねー、俺も今日の俺最高得点かなって思ってた知ってる。」 なんて外で言えばしばかれそうな返事をしながら席に着く。
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