0人が本棚に入れています
本棚に追加
キエル
生きることに飽きた。
あれから彼女はどうなったのだろうか、それを知りたい気持ちはあるが、知る術はない上に、知る理由もない。
その立場にない。
あれから何年経ったろうか。
生きることに意味を見出せなくなってから、時間の進みが遅い。
毎日が同じことの繰り返しである。
いつか終わるのだが、それを知っているからこそ、いつ終わったって同じだと思うのだ。
むしろ、たまに昔を思い出して、心臓が痛くなるこの感覚を長く味わうことがないのであれば、ひたすら死に誘惑された。
いち早く人生を終え、生きているものは誰も知る由のない死後の世界を見ることが、唯一の楽しみなのだ。
終わらせよう。
あなたを失ってからというもの、刺激がなく、生きがいのない人生を歩みました。
消して責任を感じないでください。
あなたの生涯の幸せを、心から、願っています。
さて、死んだらどうなるのだろうか。
魂というものが実に危うい存在だと思うからこそ、余計に気になった。
だが、全て消え失せて、何もかも終わるかもしれないけれども、一つ高望みをするとすれば。
来世では、あなたのような素敵な人と結ばれる人生を歩みたい、かな。
それでは、お元気で。お幸せに。
最初のコメントを投稿しよう!