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劇場支配人の演説
右や左の紳士淑女の皆々様。
こちら、珍奇、奇天烈、奇妙、ありとあらゆる『奇なるもの』を観劇できる劇場。見知らぬ誰かの人生の物語を知る事ができる劇場。その名も『人生劇場』。先を急ぐ用の無い方は、是非ともお立ち寄りを。
観ずに後悔するならば、観て後悔すべきもの。
申し遅れた。俺はこの人生劇場の支配人。および語り部。その名も景壱。以後お見知りおきを。
立ち止まってくれたあなたのような人に是非とも観劇していって欲しい。お代なら心配しなくて良い。
お代は『時間』。時間さえ頂ければ、問題無い。大きく見ると寿命が減っているけれど、何も考えなければ無料。金銭や物品は要求しない。どうしても払いたいって時は頂くけど。
劇は観客が居ないと完成しないもの。反応が無いと、演者も悲しい。あなたの時間を俺達に提供してはもらえないか?
そう。ありがとぉ。それじゃあ、こちらへどうぞ。
とびっきりの優しい悪夢を、あなたに――。
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