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コンビニ店員の吉田真一は、今日の忙しい時間があと、約5分ぐらいで過ぎようとしていた。
吉田真一がレジをしている横を見ると、頼りない店長が、疲れきった顔でひきつった笑顔をお客に放っていた。
ようやく、混み時間が過ぎて、店長がいつものように
「先に、昼休憩とりまーす」
と今にも倒れこむな感じで宣言をしてバックヤードに入っていく。
吉田真一は、店長が休憩をしている間はもう一人のバイトの永岡さんと一緒にこの時間仕事をする。
永岡さんが、レジを主にやってくれるので、吉田は、この、小時間で午前にできなかった作業をやる。
作業をしていたとき、吉田はふと、店長の名前ってなんだろう ? と思い始めた。
今まで、店長としか呼んでなかったために度忘れをしてしまった。
吉田は、今さら聞くのも申し訳ないために自分で名前を探ろうと思っていた。
ここの、コンビニでは、名札に名前が記載していないので店長も店長しか名がのっていなかった。
吉田が昼の休憩をもらうと、バックヤードにある机の上にあった書類を見ても店長さんへしか載っていなかったのでこれは本人に聞こうと決心をした。
昼休憩が終わり、吉田がレジをうってると、一人のお客が
「おい!マサ」と店長に向かって話をしていた。
吉田は、店長の下の名前はマサと言うのかと思いそのお客が帰ったあとに、思いきって店長に
「店長の名前って、マサって言うですね。」と言うと
「マサ? あれね、マサの子だからマサ! アダ名ね。俺は、店長! この響きが好きだから……吉田君、店長ポイだろ? 俺」と親指を立てて聞いて来たので吉田は一気にどうでもよくなった。
「そっすね。」と一言返事をした。
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