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という言葉をわたしの聴覚が拾ったときには。もう、胸を揉まれていた。
「けいちゃ、あ……っ」からだが跳ね上がる。『あのとき』の感触が蘇り、からだじゅうの全細胞が歓喜する。
聞きたいことは山ほどあった。
いつ。わたしを好きになったの。
わたしが先輩と付き合っているときに、なんで我慢してたの。
告白しなかったの。
それに。いまの、どういう意味。
頭のなかがぐっちゃぐちゃで。なのに、意識は変に冴えていて。
高みに追いやられる自分を、わたしのなかの一パーセントくらいが意外と冷静に見ていた。
こんなふうに愛される自分を。
愛する自分を見出し、震えてしまう。
わたしは、自分から彼の背中に手を回した。滑らかな彼の背中は、シャワーを浴びたせいか、熱くてしっとりと濡れていた。
すると彼がひとりごとのように言う。
「……おれが、どれだけ我慢していたと思っている」
「けいちゃん、……も、我慢、しないで、……あっ」
「あんまり煽るなよおれを」
自分のからだが弓なりにしなる。胸の頂きを貪られている。
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