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皮膚の分厚い男の指で触れられるのも、とんでもない快楽をわたしに提供していたわけだけど。舌は口内はそれ以上のもので。
足を広げ、彼の下半身を挟み込み。他方、手は彼の背中に回したまま、まるでしがみつく格好。
なにもかもを彼に委ねた状態。
なにもかもを彼に許した状態。
いったいどうしてわたしが彼のことをこんなに信用しているのかは分からない。自分のことすら信じられていないというのに。でも彼は――
わたしのことを置き去りにしない。
胸への愛撫だけでそれが分かった。
驚いたことにわたしの到達は間もなくだった。
ちゅばちゅばと吸いあげるけいちゃんにそれを伝えると。
わたしのなかで彼の力がますます強くなった。
安心してついていける。安心して導かれる。
「ああ、けいちゃん、や……」
視界がブレる。涙がどっとあふれる。背筋を駆け抜ける感覚。手の力が抜け、それに反して下半身に力が入り――
そのときを迎えるとわたしはベッドに縫い付けられたかのように脱力してしまった。
涙の筋をけいちゃんが舐めてくれるのが分かった。
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