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「ですの」こういう場面でも動じないのがけいちゃんはさすが。某RPGのキャラの口真似してみたってのに。 「男のからだもそうなんだけど、女のからだもそんな簡単じゃないだろ。  惚れてない相手に触られたって、そこまで感じたりしねえよ。  ……まあ、多少は、感じることはあるかもしれねえけど、でもな。  本当に愛している相手に比べたら、全然、だぞ。  ……聞くけどおまえ。  胸だけでいったこと、あるか」  ……愚問です。  わたしが首を振ると「だよなあ」と言って乳首を爪で弾く。ちょ、そこ……! 「ふぎゃあ」と叫ぶわたしを彼は、笑う。ひどい男だ。  そう、本当にひどい男だ。  ここまでわたしのことを本気にさせて、いったいどう責任を取ってくれるのだろう。  胃のなかで理不尽な怒りが燃えそうになるがひとつ、思い当たることがあった。  わたしは、それを正直に言ってみる。「あのね、けいちゃん……」  相変わらずわたしの髪を撫で続ける男は答える。「なによ。綾乃」 「あの、……いつぞやの『おっぱい』事件があったじゃないですか。
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