序章

2/2
41人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
そして地元の平氏どうしの所領争いや国司の横暴に干渉して、気がつけば立派な土豪の武士として関東の野山を駆け回っていた。 戦になれば豊富にいた馬を大量に使い、その度胸や人柄から、連戦連勝となるのであった。 当時の関東地方の政治は京都の朝廷から送られた国司・郡司によって地元で好き放題・やり放題な状態であった。 しかし将門の襲来を知るや否や、国司たちは早々と降参し、任官の証書である印綬を将門に差し出した。こうして国司や郡司はその領国から追い出され将門の私有地になっていった。常陸(茨城)、下野(栃木)、上野(群馬)、安房、上総(千葉)、武蔵(東京)、相模(神奈川)、伊豆(静岡)の8カ国を降伏させて、将門が独自にきめた役人を派遣することにしたのである。ほぼ関東平野一帯を制圧したといってよい。いまや将門は京の都へ対抗する新たな国を目指して自分を「新皇」と呼ぶようになった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!