闘う新皇

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一方、京の都では・・・ 「(ごほ、ごほ)我こそはこのたび平将門を追討すべく宣旨を得た征東大将軍の藤原忠文(ふじわらのただふみ)である。このたびの将門の謀反は我ら都に対して大変な汚辱である。今こそここに将門を討つべし。先遣の者として誰か名乗りをあげよ」藤原忠文はこの時かなりの高齢である。実際には、合戦には間に合わなかったという。 「我こそが攻め立てましょう」そういって手を挙げたのは平貞盛(たいらのさだもり)である。彼は将門のいとこである。父・平国香(たいらのくにか)が将門との合戦に敗れて殺されており、貞盛にとって将門は親の仇を取る絶好のチャンスであった。 また貞盛自身は軍勢が足りないと見て、藤原秀郷(ふじわらのひでさと)に加勢を申し込んだ。秀郷は別名・俵藤太(たわらのとうた)と呼ばれ、近江三上山の百足(むかで)退治で有名な武将である。彼もまた武功によって出世を願っていた1人だった。
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