将門の怨霊

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いまでは三井物産の本社が隣接している。社員さんは必ず毎日ルーティーンとして首塚を供養しているという話。 また社員さんは首塚にお尻を向けないよう机を配置しているという噂だがそれは都市伝説にすぎない。 そして首塚にはカエルの置物が目立って見える。将門の首が京都から「帰ってきた」というのにかけて「カエル」ことが叶う願い事が多いようである。左遷されたサラリーマンが「本社に戻ってこれますように」とか、落し物をした人が「自分のもとへ帰るように」とか。そういった類のお願い事である。 やってはいけないこともある。 成田山新勝寺と神田明神同時期に参拝してはならない。というのも成田山新勝寺は将門追討を願って当時の朱雀天皇が命を発したもので、中には空海作の菩薩像がおさめられている。一方、神田明神は言わずもがな平将門を尊崇しているため江戸っ子や関東平氏の子孫から厚い信仰を受けている。両方を参拝することは、巨人と阪神を両方応援するようなものである。やめておいた方がいい。
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