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「嘘だろ?」
俺は、俺しか居ない車内で呟いた。
俺は真夏の太陽が照りつける中、エアコンを付けてハンドルを握り、ご機嫌でドライブを楽しんでいたんだ。
スピーカーから流れるパンクロック、サングラスを掛けて飲むレモネード。気分は上々、気の向くまま、俺は車を走らせていた。
しかし、それは一瞬で地獄に変わった。
原因は分かっている。俺は、さっき山を走っていたら、ひまわり畑を見つけたんだ。それに胸を打たれちまった。
俺は車を停めて、写真を撮った。自撮りもした。笑顔だったんだ、その時は。
暑い夏の日だったから、俺は車の窓を全開にして停めていた。それが間違いだった。
車内に『招かざる客』を呼び寄せた。
再び走り出した俺は、聞き慣れない車内の音に耳を疑った。慌てて、パンクロックの音量を絞ったんだ。
ブーン…ブーン…。
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