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気づけば俺はファミレスに来ていた。目の前には園子さんと鏑木が座っている。鏑木が「今日はランチを食べながら、明日の予定を立てましょう」と提案したのだ。もう、本当に俺は情けない。デートプランもひとりで立てられないなんて。ちらりと園子さんのほうを見ると、困ったような視線を返された。絶対がっかりされた。最悪だ。昨日の夜からやり直したい。
「何食べます? 店長の奢りだから高そうなのにしますね」
「もう……好きにしてくれ」
ここはファミレスだ。高いものと言ってもたかが知れているはずだ。
「うん、これ。これにします。リブステーキ。これが一番高いです」
「……お前、値段で選んだろ」
「そうですね。でも、もうあたしお肉の口になっちゃったので変更不可です」
さりげなく値段を確認する。千円か。……うん、まあ。うん。俺はランチメニューから頼もう。ドリンクバーを付けても六百円は安い。園子さんの様子を確認すると、メニューを何度も何度も捲っていた。すごく悩んでいるようだ。やがて顔を上げた彼女は、口を尖らせながらこう言った。
「ここってオムライスないんですね」
オムライス探してたのか。いや、オムライスなら俺が作るのに。
「オムライスなら俺が作るのに」
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