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――カシャッ
「もう、店長その顔やばいです。これはあたしのお気に入りフォルダに保存しておきます」
「優香ちゃん、また撮ったの? 後でわたしにも送ってね」
「いいですよ。あー、もうお腹空いた」
――ピンポーン
鏑木は俺の初めての共同作業を乱暴に奪っていった。ていうか、その写真のやり取りもしかして頻繁にしてる? 俺のあのだらしない顔が園子さんの手元にある? だとしたらもう最悪だ。
「お待たせいたしました。ご注文お伺いします」
「えーと、リブステーキ「あ、ライスもつけてください。あとドリンクバーも」」
店員は少し困った顔で鏑木と俺の顔を見比べる。俺が静かに頷くと、「かしこまりました」と笑顔で返事があった。
「あと、アラビアータと半熟卵のミラノ風ドリアを。どちらもドリンクバー付けてください」
「はい、かしこまりました。ドリンクバーはあちらにございます」
店員が立ち去った瞬間、待ってましたとばかりに鏑木は立ち上がった。
「園子さん、飲み物取りに行きましょ。あ、店長は留守番です」
鏑木に腕を取られて園子さんは連れ去られていった。
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