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チクタク、チクタク
窓際の席に座ったままの僕以外、誰もいない教室には時計の針が進む音だけが鳴り響く
チクタク、チクタク
時計の針の音がまるで僕の心臓の音と連動しているかのような錯覚さえ起こしそうなほどやけに頭の中に鳴り響く。
開け放たれた窓から風が侵入し、ふわりとカーテンが揺れた。
それを見て思い浮かべるのは真っ赤な顔をした君の昨日の姿。
そして、間抜けな僕が泣かせてしまった君の表情。
あれからずっとどうすれば時間を巻き戻してやり直せるのかなんて馬鹿な事を考えてみたけれど、結局この現代社会においてそんな魔法みたいな超常現象何ておこせるはずもなく、直球で行くしかないと覚悟を決めた僕を嘲笑うかのように君は全然僕と会ってくれない。
だからこっちも最終手段に打って出よう。
部活を終えて、君が校舎から姿を見せるまであと5分
君の姿を見つけることができたなら、大きな声で君の名前を呼んで、そして愚かにも昨日伝えそこなったこの気持ちを叫ぶんだ。
その時君は一体どんな反応をするんだろうね。
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