二、戻ってきた人

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「なら好きな席に座ればいい。立ってる人間がいなくなったら授業を始めるから」  少しの間の後、最初に動いたのは慧だった。 「埒があかないだろ。咲希、謙太、行こう」 「うん」 「あ、待って!」  今まで座っていたのと同じ場所。SランクとAランク用に用意された机にそれぞれ座る。それに続くように他のAランクも教室に入って席についた。  廊下にはBランク以下が残された。 「行く?」  誰かの呟きが引き金となった。 「私Bランクだよ!」 「あ、俺も!」 「私だって!」 「俺Cだ!」 「俺もC!」  一斉に教室に駆け込んできたかと思うと、競うように前方の机に座っていく。ガタガタという煩い物音が収まった時、空いているのはレジャーシート三枚と今までの机が一セット。そして、立っているのは尚人達四人だった。 「体育科か。ほら、早く座れよ」  城之内は楽しんでいるかのように笑った。 「どうする……?」 「レジャーシートやだよ」 「私も……」  めぐと理沙はレジャーシートに躊躇いを見せた。だけど、人を押し除けて席の確保に走る事もしなかった。何より、反乱軍の事件以降テストも授業も頑張っていた。この四人はEじゃない。それはクラス皆がわかってる。 「違うでしょ?」  声を出さずにはいられなかった。
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