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「ただ、先端技術科は一学年で多くて六人程の少人数の寮です。なので、こちらから声をかけるスカウト制をとっています」
一学年で六人。その言葉に、遠目でもわかる程、新入生の表情が変わった。
「スカウトする基準はBランク以上になれそうな事と、何か誇れる点やその人だけの魅力を持っている事。皆さんのプロフィールも見ましたが、これからやる自己紹介もモニターで見ているので、その点を踏まえて自己紹介をしてもらえると嬉しいです」
不安そうな子。残念そうな子。反対に自信に満ち溢れてる子。色んな子がいて面白い。
園香先輩達もこんな気持ちだったのかな、なんて思って頬が緩みそうになる。
そんな中で一人の女子生徒が目に止まった。慧がプロフィールから選んだあの女の子だ。
その子は九十人の中でただ一人、つまらなそうに、興味なさそうに視線を落としてる。その表情がどうしても気になった。
自己紹介が全て終わると、新入生は仮の部屋へと戻っていく。勧誘はランクが決まってからでもいいけれど、高ランクは早い者勝ちだ。
「藤峰さん、待って?」
皆がぞろぞろと移動していく中、一人で歩く藤峰歌に声をかけると、皆が一斉に振り返った。
「何でしょうか……?」
「ちょっとお時間もらえないかな?」
そう言うと、歌は少し迷う素振りをした。表情は変わらない。嬉しさや戸惑い、緊張はなくて、本当につまらなそうな目。
「……わかりました」
「良かった、ついてきて」
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