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「……高ランク、何人いるんですか?」
「寮生が2年生から8年生で三十四人。その中でSランクが四人、Aランクが十五人だな」
すると、歌は考えるように視線を逸らした。
各学年一人か二人しかいないSランクと、十人程しかいないAランク。一年間、また皆で頑張ってこのランクを取り戻した。半分以上も高ランクが占める寮は先端技術科だけだ。
「なら、ここに入ります」
「そう、良かった」
安堵したのも束の間。
「高ランクが多いって事は、馬鹿な人少なそうですし」
歌は悪気も敵意もなく、ただ呟いた。
「は?」
「どうしたらいいですか?」
「明日朝食を食べ終わったら、何時でもいいから荷物を持って来てくれ」
「わかりました」
言葉が出ない咲希に代わって慧が答えると、さっさと席を立つ。
アイスティーには一切手をつけていない。水滴がグラスを音もなく伝う。
「失礼しました」
歌はそのまま、こちらが見送りに立つ間もなく先端技術科を出て行ってしまった。
夕食の席で一部始終を話すと、健司は豪快に笑い飛ばした。
「それはすごい新入生だな!」
「笑い事じゃないですって! ほんとにどうしようかと思ったんですから!」
咲希が食らいついてもなんのその。
「でも、咲希を馬鹿にしてるって感じじゃなかったんだろ?」
「私をっていうか……皆で勉強したり楽しく何かする事に否定的だったり、何も興味なさそうな態度を崩さないって感じで」
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