プロローグ

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プロローグ

「新寮長は慧、副寮長は咲希だ。二人なら大丈夫だと思うけど、皆の事頼むな」 「はい!」  清次郎先輩は朗らかに笑った。 「健司も二人の事支えてあげてね」 「わかってます。にしてもあーっ! 何で俺は卒業じゃないんだろ」 「一つ下なんだから当たり前でしょ」  亜実先輩は何日も前から嘆いている健司先輩に苦笑する。 「他にいい男がいても靡かないで下さいね」 「何言ってるのよ! 卒業、待ってるから」 「家族じゃなきゃ手紙も面会も無理とか嫌すぎる! 籍入れてから卒業しません?」 「どうやってよ!」 「健司先輩、それは無理ありますって」  健司先輩の無茶振りに皆で突っ込んで。 「慧、お前には彼女を外の世界に出す不安がわからないんだ!」 「健司先輩、大丈夫です。康介への手紙の中に一緒に入れて、渡して貰いましょ?」 「その手があるか! 咲希、頼んだ!」 「咲希、ありがとう」  フォローして、皆で笑って。 「じゃあな」 「元気でな! 姫の家で会おうな!」 「待ってるから!」  また新しい一年が始まった。
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