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「だよね⁉︎」  華は興奮気味に尋ねた。 「うん、流石にここで大声で喋るのはね」 「結坂さん達のおかげで脱落者になる事が無くなったのは嬉しいんだけどさ、一つクレーム言ってもいい?」 「何?」 「低ランクの奴らが本当に調子に乗ってるんだけど。高ランクに逆らってもお小遣いが減るだけだって言って、寮でも大騒ぎ」 「あー……」  その光景は容易に想像できる。かける言葉は見つからない。気にするでもなく、華は続ける。 「そういえば、何で私の事誘ってくれたの?」 「話してみたかったし、クリスマスパーティーの時の事、ちゃんとお礼言えてなかったなって。あの時は博達呼んできてくれてありがとう」 「私の方が助けてもらったんだからいいのに」 「それでも、本当にありがとう」  咲希が言うと、華は楽しそうに笑った。 「ほんっと律儀!」  話している間にも、新入生達は楽しそうにメニューを決めている。 「クリームソーダ美味しそうー!」 「ケーキ食べたいな、でも金欠なんだよね!」 「コーヒー高くない⁉︎」 「ほんとだ! やばーい!」  二人同時に眉を寄せ、そちらを見ないように尋ねた。 「井丹さんは今日一人なの?」 「ランク落ちした後ほんとに友達って言えるような友達いないし、この後映画見に行こうと思ってるんだけど、コアな映画すぎて一緒に見てくれそうな人いなくてさ」 「何て映画?」 「クロコダイル! 人食いワニのB級ホラーだよ」  それは見てみたかったけど、慧達は誰も付き合ってくれなさそうな映画で。 「え、見たい!」 「……まじ?」  咲希が弾かれるようにそう言えば、驚いたような表情が返ってきた。
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